製品になっているシングルドライバー“ヨナ号”
バックマンのシングルドライバー“ラフィエット号” | TMS特集シリーズの表紙“ヨナ号” |
バックマンはいくつか黎明期の蒸気機関車をHOで発売しています.主に客車,線路とパワーパックをセットしたものがでまわっており,ミュージアムショップ向けと思われます.先日模型量販店に寄ったときに見つけて購入したのが,このボルチモア&オハイオ鉄道のラフィエット(Lafayette)号です.これはもともとプロシア号として製品化されていたもののバリエーションですが,モデルを見てすぐに思い出したのがTMS特集シリーズ「変わった車輌30題」の表紙です.
これは片野正巳氏によるシングルドライバーのイラストで,本書に収められたシングルドライバー「ヨナ号」の製作記事に基づくものです.ヨナ号とは1956年に公開されたディズニーの映画「機関車大追跡」に登場したものらしいです.しかし,この製品が偶然似ているのではありません.調べてみると,映画をつくるときにボルチモア&オハイオ鉄道の博物館からラフィエット号のレプリカを借り受けてヨナ号とし,さらに映画用にキャブをつけたことがわかりました.なおラフィエット号がつくられたのは1830年代ですが,レプリカは1927年につくられており,現在も博物館に保存されているそうです.
さて,このような超古典機は車体が小さい分だけブロード感はあってもなぜナローなのかと思われたかもしれません.その理由はこのイラストにあります.片野さんのイラストは不思議にナローゲージの味が感じられるのです.よく見ると,イラストのボイラーの位置が少し高めですが,バックマンのモデルにのっぽのオープンキャブをのせれば(勿論人形の大きさは変えて)Oナローの車輌としても面白いのではないかと連想させてくれます.
ところで,バックマンの古典シリーズは,モデルによってテンダードライブだったりするのですが,このモデルはれっきとしたシングルドライバーで主軸を駆動しています.集電は主軸と前従輪で行っており十分です.また前従輪の台車は左右の遊びがあり,テンダーの前端にある突起を落としてやれば急カーブを十分クリアーします.いまA1サイズのレイアウトで走らせています.
本製品は米国の大手の通販でも扱っており,比較的手に入りやすいとおもいます.梱包されているEZトラックと抵抗式のパワーパックは増えて困ってしまうのですが(笑),三両の客車は乳母車のような台車が活用パーツとして役に立ちそうです.
2004年4月 Nobuo Koizumi