何か手軽な車輌工作がしたい.そんな時,人員輸送車はいかがでしょうか?作業員をのせるための貨車ということですが,遊覧客車にもなります.ガラス窓のないシンプルなものを考えてみましょう.
バックマンのなべトロ台車に箱を載せて,即席カブース |
バックマンのOn30なべトロをベースに使います.立派なブレーキハンドルがついていて,それになべが少し大きめなので,小さな作業トロッコ編成に使うのにはちょっとためらってしまいます.しかし,これに木曽のカブースのように車体を被せたらサイズとしてもよさそうです.というわけで,なべの支持部をとりはずして,それに箱物をのせてみることにしました.こうして出来上がったのが写真にある赤い人車です.窓は開口部だけの簡単なもの.ブレーキと反対側の妻面にドアがあることになっているので,ヒンジとラッチのディテールをつけました.バックマンの下回りを利用して,無蓋車なんかをつくってみるのも面白いと思います.
マル屋根タイプ |
三角屋根タイプ |
HOボギー台車を使用 |
拙著トロッコモデリングに掲載したボギー台車を用いたトロッコに,屋根付の車体を載せたものです.使っているフォックス型ボギー台車はMDC
RoundhouseのHO古典貨車用です.シンプルな構造で,固定二軸のように見えなくもないので,ストックして愛用しているものです,一般に入手できるアーチバーでも代用できるでしょう.
図面を用意しましたのでヒントにしてください.この図面はあとから模型を測量して作図したもので,車体は現物あわせの試行錯誤の結果出来上がったものです.
丸屋根タイプの車体はエヴァグリーンの筋付シート(V-groove)を使いました.面倒な筋入れをしなくて済むので重宝しますが,テンプレートをのせて切り出す時は位置あわせする必要があるのと,インチ基準なのでメートル寸法の図面の場合は調整が必要になります.屋根にも筋付シートを使うと丸めるのが楽です.
三角屋根タイプは右上の写真にもある無蓋車に屋根をつけたデザインで,側板の筋入れにはアクリルカッターを用いました.乗降口のチェーンやブレーキハンドルなどをつけてディテールアップします.
TMS1985年9月号(463)に橋本真さんの「軽便版しまんと号」と名づけたオープン客車の記事がのっています.PECOのO-16.5用2軸貨車下回りを利用した車輌で,三角屋根タイプの原点ともいえる作品です.今見ても新鮮で楽しい作品です.そういえば,PECOのO-16.5下回りを用いた車輌構想がずっとお預けになっていたのを思い出しました...
2007年5月 Nobuo Koizumi